医療・クリニック
クリニックの電話・問い合わせ対応をAIで減らす方法と注意点
監修・執筆スリーシックス株式会社
この記事の要点
予約や診療時間などの定型的な問い合わせは、AIチャットやよくある質問ページで減らせます。クリニックで効果が出やすい業務と、医療機関ならではの注意点(診断に関わる回答をしない、個人情報の扱い)を解説します。
「診療中も電話が鳴り続けて、受付スタッフの手が回らない」。多くのクリニックが抱えているお悩みです。電話や問い合わせの多くは、診療時間・予約・アクセスなど、毎回ほぼ同じ内容への回答です。こうした定型的な対応は、AIで減らすことができます。
クリニックの問い合わせで多い内容
受付に寄せられる問い合わせを分類すると、次のような内容が大半を占めることが多いです。
- 診療時間・休診日の確認
- 予約の取り方・変更・キャンセル
- 駐車場やアクセス
- 初診時に必要な持ち物
- 対応している診療内容や検査の有無
- 支払い方法
これらは、答えが決まっている質問です。AIやWebサイトで先に答えられれば、受付スタッフは目の前の患者さんの対応に集中できます。
AIで減らす3つの方法
1. よくある質問ページを充実させる
まずは、ホームページの「よくある質問」を充実させます。質問を見出しにして、最初の一文で答える形にすると、患者さんが探しやすくなり、Google検索やAIの回答にも使われやすくなります。
2. AIチャットで24時間答える
ホームページにAIチャットを置くと、夜間や休診日の問い合わせにも自動で答えられます。クリニックの診療時間や予約方法などの情報だけを読み込ませ、その範囲だけで答えるように設定するのがポイントです。
3. 電話の自動音声案内と組み合わせる
電話では、最初に自動音声で「診療時間はホームページでご確認いただけます」「予約はWebから24時間受け付けています」と案内するだけでも、電話の件数を減らせます。
医療機関ならではの注意点
医療機関でAIを使うときは、一般の企業以上に慎重な設計が必要です。
AIには、症状の判断や診断、治療の助言をさせないことが大前提です。
- 診断に関わる質問には答えない設定にする:「この症状は何の病気ですか」といった質問には、「医師の診察をお受けください」と案内するようにします。
- 緊急時の案内を必ず入れる:急な体調の悪化などの場合は、救急車(119番)や救急相談窓口への連絡を案内する文言を入れます。
- 個人情報を入力させない:AIチャットに氏名・病名・保険証番号などを入力させない設計にします。予約は、既存の予約システムに誘導するのが安全です。
- 国のガイドラインを確認する:医療情報を扱うシステムについては、厚生労働省のガイドラインなどを確認し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
導入の進め方
- 1〜2週間、電話や問い合わせの内容をメモして、多い質問を洗い出す
- 多い質問への答えを、院長・スタッフで確認して文章にする
- よくある質問ページを更新し、AIチャットに同じ内容を読み込ませる
- AIが答えられなかった質問を定期的に確認し、答えを追加する
最初から完璧を目指す必要はありません。多い質問の上位10個に答えるだけでも、受付の負担は軽くなります。
まとめ
クリニックの問い合わせ対応は、定型的な質問をAIとWebで先回りして答えることで減らせます。一方で、診断に関わる回答をさせない、個人情報を入力させないといった、医療機関ならではの配慮が欠かせません。
医療機関のAI活用について相談したい場合は、AI活用・業務効率化支援のページをご覧ください。
よくある質問
AIチャットが間違った情報を答えることはありませんか?+
読み込ませた情報の範囲だけで答える設定にし、答えられない質問には「お電話でお問い合わせください」と案内するようにすることで、誤った回答のリスクを抑えられます。診療時間の変更などがあったときは、AIに読み込ませた情報も必ず更新してください。
患者さんの個人情報をAIに入力しても大丈夫ですか?+
問い合わせ対応のAIチャットでは、氏名・病名・保険証番号などの個人情報を入力させない設計をおすすめします。予約や個別の相談は、既存の予約システムや電話に誘導するのが安全です。